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空き家問題とは?増加の原因と対策・解決策について④


空き家問題とは? 増加の原因と対策・解決策について④

空き家問題に特化した法律
『空き家対策特別措置法』が平成27年2月に施行されました。
一部条文の施行が留保されていましたが、同年5月26日から完全施行されました。
空き家の問題が大きくなってきております。空き家問題について掲載してきたいと思ます。、

今回は、 空き家問題の原因について


空き家の所有者に事情をヒアリングすると、原因として
 
・所有権や相続問題でこじれている
・片付けをする暇がない
・知らない人に家を貸すのが不安
 
といった問題点を抱えているようです。
 
そういった問題を抱える中、空き家の増加の原因としては、
 
① 世帯数の増加以上に住宅は増えている
② 中古住宅の人気がない
③ 空き家予備軍の増加
④ 高齢者世帯はまだまだ増える傾向
⑤ Uターン率が低いと実家の空き家が増える
 
以上の原因と共に所有者側の事情等により空き家は増加しています。
では、詳しく見ていきます。
 
① 世帯数の増加以上に住宅は増えている
単純に考えて、住宅が増えなくても、世帯数が減ると空き家は増えていきますが、核家族化や単身世帯の増加から、世帯数は増加傾向です(世帯人員は減っています)。
ということは、世帯が増える以上に住宅が増えると、空き家も増えることになります。
平成25年の総世帯数は約5,245万世帯で、1世帯あたりの戸数は1.16でした。
この数字は年々増加しており、空き家が増えて続けていることに一致します。
 
  平成10年 平成15年 平成20年 平成25年
総世帯数(単位:千) 44,360 47,255 49,973 52,453
住宅総数(単位:千) 50,246 53,891 57,586 60,629
戸数/世帯 1.13 1.14 1.15 1.16

(データ:国土交通省「世帯数及び住宅戸数の推移」)
 
費用面を抜きにすれば、新しくて綺麗な住宅の人気が高いのは当然で、特に賃貸住宅では経営サイドにおいても新築直後の稼働が勝負です。資金的な都合などで、中古住宅の需要もあるとはいえ、誰もが潜在的に持っている新築住宅への憧れは、供給側にとって大きな利点でしょう。
また、住宅を仲介する不動産会社でも、新築で価格の高い物件ほど利幅が大きく、こうした三者三様のメリットから、どうしても新築住宅が増えやすい土壌があります
 

・新設住宅着工戸数と滅失戸数の比較
いつかは新しい住宅に住みたい需要があることは普通ですし、それ自体は環境面を除けば問題なく、経済的観点ではむしろよいことです。
問題は新設によって不要となった住宅が、無くならないことにあります。
 
単純計算で建てられる戸数と解体される戸数を比べれば、どのくらい住宅が増えているかが分かります。
 
(単位:千) 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
新設住宅着工戸数 775 819 841 893 987
滅失戸数 112 137 115 125 127
その差 +663 +682 +726 +768 +860

(データ:国土交通省「新設住宅着工戸数の推移」及び「住宅の滅失戸数の推移」)
 
データ上で毎年住宅が増えていると確認でき、その差が広がっているのがポイントです。
世帯に対する住宅数が過剰になっていることが明らかなのに、住宅が増え続けているのは、やはり新築住宅への需要が大きいからでしょう。
例えば、古いマンションを壊して複数の戸建を新築する例は少ないですが、複数の古い戸建を壊して(用地買収して)新しくマンションが建つ例はよく見られるように、それだけでも新築住宅を増やす要因です。
 
 
・滅失戸数が増えない理由
空き家になっていても解体されない、つまり滅失戸数が増えない原因は、特に個人所有であるとき顕著に現れます。
1つは経済的な理由で、住宅がない土地では固定資産税が最大4.2倍に増えてしまうこと、解体のために費用を要する点です。
つまり、お金を使って解体したのに税金が上がるので、使っていなくても解体しようと考える人が少ないのは道理でしょう。
また、家の存在は所有者にとって経済的な価値以上に「想い」を含んでおり、解体をためらってしまう側面があります。生活の拠点として長い間住み続けた住宅を壊してしまうことは、実家なら一層ためらいが大きいと考えても不思議ではありません。
もう1つ深刻な問題があり、古い空き家では、現行の建築基準法施行以前に建てられ、再建築が認められない土地になっているケースがあります。
再建築できないのですから、解体してしまうと宅地としての用を足さず、放置するしかなくなっている空き家が存在します
 
 ・住宅需要の減少
世帯数は増加傾向でも、日本の人口は既に減少し始めており、今は世帯あたりの人数が減っているだけで、世帯数自体は増えています、やがて世帯数も減少に転じることは明らかです。
世帯数の減少は、それだけ住宅の需要が失われることに直結し、新築住宅が増加し続けていることを考えれば、近い将来に必ず住宅の過剰供給が問題になるでしょう。
つまり、売れない・貸せない時代の到来は、現状が続けば間近に迫っています。
 
・晩婚化と出生率の低下
将来の空き家を増やす原因の1つである、人口減少から世帯数減少に続く流れは、晩婚化と出生率の低下にも大きく影響されます。
ただし、出生率は近年僅かに上昇しており、社会全体による出産・育児へのサポートが、徐々に成果を上げ始めているのでしょうか。
それでも、単純に考えて20年後には成人女性の数が減っているため、もし出生率が2になったとしても、人口が増えるには至りません
仮に移民等を加えて人口が増えるとしても、それ以上に新築住宅は増えるのであって、空き家問題はなくならないという状況です。
 
② 中古住宅の人気がない
リフォームやリノベーションによる中古住宅の再生は、費用を抑えて質の高い住空間を得るために有効ではあっても、既に住宅を取得している層が中心です。
これから取得する人は、どうしても品質が確実な新築住宅に目が向きますので、中古住宅は築浅と程度のよさが決め手になっていきます。
ところが、一般に住宅の価値は、最初の10年で大きく下落するのに対し、住宅ローンの残高は返済初期に減りにくい特性から、いわゆるオーバーローン状態になって売りにくい状況が続いてしまいます。
しかも、新築住宅が増えるとそれだけ中古住宅も増えていくわけで、市場原理から価格下落が加速して、中古住宅は飽和状態が止まらなくなります。
また、木造の売買物件は、築10年で半額程度まで下落しますが、木造の賃貸物件では、築10年で家賃が新築時の半分になることは考えられません。
その結果、中古の賃貸物件は借りる側にとって割安感が小さく、賃貸でも大きく家賃に差がない新築に流れて、中古物件の空き家を増やしていきます。
ようするに、売ることも貸すこともできない状況に陥る物件が増えるのです。
 
③ 空き家予備軍の増加
人間に寿命がある以上、高齢者世帯ほど空き家になる可能性が高まり、それが単身世帯なら、なおさら空き家になりやすいのは避けられません。
65歳以上の高齢者世帯は、平成7年には約10%に達し、平成22年には約20%、平成25年の時点で23.2%にもなりました。
(「厚生労働省大臣官房統計情報局 国民生活基礎調査」より)
 
④ 高齢者世帯はまだまだ増える傾向
全体の世帯数はいずれ減りますが、平成37年の高齢者世帯数は、平成22年に比べて約400万世帯増えると推計されており、総数が都市圏に多いのは当然として、増加率でも都市圏が高いと予測されています。
そして、約400万世帯増加のうち、単身世帯数は約200万世帯と予測され、空き家になりやすい単身世帯が最も多い構成に辿りつきます。
こうした人口と世帯の推計から、このままでは空き家の増加は避けられないのがよくわかります。
 
⑤Uターン率が低いと実家の空き家が増える
平成23年の人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)によると、出生県から移動し、調査時点で出生県に戻っているUターン率は約34%です。
推移としては上昇傾向にあるとはいえ、それでも1/3しか戻っていません
よくある事例では、子供が県外へ移動後結婚して戻らない場合、親を呼び寄せる・親が亡くなることで、実家が空き家になります。
もちろん、全国的・全体的な数字なので、かんたんには分析できませんが、実家が空き家になる割合は高いと推測できるでしょう。
 


次回は、空き家問題に対する対策についてをとりあげていきたいと思います。
 堀 行政書士事務所  
TEL 0568-67-8115  E-mail irokawa@mth.biglobe.ne.jp
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2017-12-14 15:17:22