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2016-03-24 09:41

2016年4月~ 障がい者雇用促進法が施行


2016年から変わること

2016年4月〜、障害者が働くための障害者雇用促進法が施行されます
平成28年4月から、障害者雇用促進法が改正されますが、これまでと何がどのように変わるのでしょうか?
施行日までに、障害者を雇用できる受け入れ態勢を整えておくために内容を確認しておきましょう。

【障害者雇用促進法の改正の目的は】
障害者の雇用の場での差別の禁止。障害者の権利を守る。
雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、障害者の雇用に関する状況に鑑み、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える等の措置を講ずる。
平成28年4月からは、障害者に雇用についての差別禁止、就業条必要な改善(安全な環境、通院や体調に配慮することなど)が必要だと明文化されています
平成304月からは、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えるようになったことが大きな変化です。

①障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応
1.障害者に対する差別の禁止
雇用の分野における、障害だけを理由に、障害者差別をすることは禁じられています。
これは、不当な差別的取り扱いの禁止ということです。
適正に行われた職業能力のチェックの結果、必要に応じて行う合理的な理由での扱いは禁止されていません。
もちろん、障害の内容や程度によって、合理的な判断もしくは必要に応じて対応を変えることは差別ではありません。不当な差別というのは、障害者であることだけを理由に健常者と比べて賃金を下げたり、教育訓練を受けさせない等というものです。
障害者が募集に応じて応募してきた際に、障害者枠か一般枠かに捉われず、障害だけを理由に不採用とすることのないように注意してください。
◆差別の主な具体例◆
募集・採用の機会  ・身体障害
 ・知的障害
 ・精神障害
 ・車いすの利用
 ・人工呼吸器の使用
 などを理由として採用を拒否すること など
賃金の決定、
教育訓練の実施、
福利厚生施設の利用
など
 障害者であることを理由として、以下のような不当な差別的取扱いを行うこと
 ・賃金を引き下げること、
 ・低い賃金を設定すること、
 ・昇給をさせないこと

 ・研修、現場実習をうけさせないこと
 ・食堂や休憩室の利用を認めない など
2.合理的配慮の提供義務
合理的な配慮というのは、例えば、視力が著しく悪い障害の人に目を酷使する作業を担当させない、車椅子の人用に机の高さを調節する、内部疾患の人が通院に要する時間を確保しやすい勤務時間にする等、障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置を指します。ただし、事業主に過大な負担を強いる場合はこの限りではありません。
◆合理的配慮の主な具体例◆
募集・採用の配慮  ・問題用紙を点訳・音訳すること
 ・試験などで拡大読書器を利用できるようにすること
 ・試験の回答
時間を延長すること
 ・回答方法を工夫すること など
施設の整備、
援助を行う者の
配置など
 ・車いすを利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること
 ・文字だけでなく口頭での説明を行うこと
 ・口頭だけでなくわかりやすい文書
 ・絵図を用いて説明
すること
 ・筆談ができるようにすること

 ・手話通訳者・要約筆記者を配置・派遣すること、
 ・雇用主との間で調整する相談員を置くこと
 ・
通勤時のラッシュを避けるため勤務時間を変更すること など
3.上記の1及び2について
事業主には障害者からの苦情を自主的に解決する努力義務が課せられます。
個別労働紛争解決促進法に特例を設け、都道府県労働局長が助言・指導・勧告できるようになり、調停制度の対象にもなります。

② 障害者の法定雇用率の見直し
障害者の法定雇用率は、原則として5年ごとに見直しになります。今回、法定雇用率の算定の基礎に精神障害者が追加されました。

障害者を雇用する際に問題になること
障害者雇用安定法が改正され、その施行日までにどのような準備ができるのか?何を準備しなければいけないのか?ということを考えてみましょう。

就労環境の整備
まず、誰でも思いつくのが職場環境の整備です。車椅子では階段は介添えなしでは使えません。
そうかと言って、毎回毎回の介添えは現実的ではありません
金額を恐れずに言えば、エレベーターや車椅子用の階段昇降機があります。
できれば、合理的な配慮の範囲内で低層階での勤務が可能になる等、お金を極力かけずにできる就業環境を時間がある今のうちに考える必要があります。

フレキシブルな勤務体制
障害者の雇用の際に気を付けていただきたいのが、中には定期的な通院を必要とする人もいるということです。
障害とは言っても、目に見える障害だけではありません。
通院に支障がないように、勤務時間を一律にするのではなく柔軟に対応できるようにしておくと良いと思います。

ハード面での整備も大切ですが、何よりもソフト面での受け入れ体制を整えておくことが必要です。
入社したら定着できるように、社内に就業上の相談に乗るサポーター制度を整備するのも有効ですね。

障害者の雇用支援・相談窓口の利用
初めて障害者を雇用する企業、今まで雇用した障害者とは異なる種類・程度の障害者を雇用しようとする場合、
企業としてはどのようにしたら良いのか?と苦慮する場合もあると思います。

これまで、精神障害者を受け入れていなかった企業にある日突然、精神障害者が労働者として出勤してきたら同じ職場の人はどのように対応したら良いのか迷うかもしれません。
独立行政法人高齢・障害・求職者・支援機構の地域障害者職業センターによる支援窓口が用意されています。

障害の特性に合わせた仕事内容が分からない、知的障害者への仕事の教え方が分からない、精神障害者が職場に溶け込めるか心配等、様々な悩みがあると思います。そんな時には、雇用管理について助言やその他の支援を職業リハビリテーション専門機関の立場からしてもらえます。
事業主支援計画の策定等、障害者を雇用する上でのニーズや課題点等を体系的に支援してもらえるので相談してみると良いのではないかと思います。

他にも、職場適応援助者(ジョブコーチ)制度中央障害者雇用情報センターもありますので、障害者の雇用で何か気になることがあれば相談できるのではないでしょうか。
障害者を自社で雇用すると言うことは、社内の様々なバリアフリーにもつながります。
環境だけではなく、ソフト面での体制しっかりと整えて、改正された障害者雇用促進法の施行日を心配なく迎えられるようにしていきましょう

障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要(厚生労働省HP)

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