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2016-04-21 11:57

認知症の徘徊について考える



認知症の徘徊について考える①
【中日新聞・東京新聞WEB2016.3.2】より。


1)原因と特徴 無目的ではなく行動に型
先日の、認知症の高齢者が列車にはねられた事故は、徘徊症状のある認知症高齢者でした。
認知症高齢者を介護する家族の監督義務が争点でしたが、
徘徊(はいかい)する人に、家族や地域はどう対処したらよいのでしょう。

認知症は、認知機能の障害によって社会生活などが困難になる病気を総称したものです。
代表的な疾患がアルツハイマー型認知症ですが、他にも脳血管性認知症レビー小体型認知症前頭側頭型認知症など、さまざまな種類の症状があります。

この一つの、
アルツハイマー病で徘徊するお年寄りは、記憶に残るかつての自分に戻り、関係する場所へ行こうとすることが多い」

高齢者心理に詳しい認知症介護研究・研修仙台センター(仙台市)の加藤伸司センター長は強調しています。

すでに退職しているのに、それを忘れて以前の勤務先へ向かったり、とっくに取り壊した生家へ帰ろうとしたりするほか、子育て中の自分に戻って保育園へ子どもを迎えに行こうとする女性も少なくない。
認知症のため、記憶の一部が欠落してしまっているからのようです。
認知症でない人から見ると、徘徊は目的なく歩き回っているように感じるが、そうではないそうです。
愛知県の認知症男性の家族にJR東海が損害賠償を求めた訴訟の地裁判決によると、男性も「東京へ仕事に行く」などとしきりに外出しようとしていた。とのこと。

加藤センター長によると、アルツハイマー病では記憶の欠落(もの忘れ)が避けられない。
抜け落ちた記憶を想像で埋めるなどして本人なりに考えた結果が徘徊になっているとはいえ、無理に引き留めるとストレスになり、徘徊が悪化しかねない。

代表的なもので四種類ある認知症のうち、アルツハイマー病は半数以上を占める多くの認知症の人から話を聞いてきた加藤センター長は
アルツハイマー病の場合、現在の居場所に対する居心地の悪さに起因する可能性が高いと指摘しています。

家族や施設職員の対応では、どのような人生を送ってきたかを知るなどコミュニケーションを深め、介護する人が気安い存在になれば徘徊が減る可能性がある。施設に入所していれば、自宅から家具を持ってくるなど、慣れ親しんだ環境をつくるのも一案という。

また、【前頭側頭型認知症】も徘徊の症状が出やすい。
前頭側頭型は認知症の1%程度と少ないが、欲望を抑えられなくなったり、人格が変わったりするのが代表的な症状。もの忘れはあまりなく、欲望のままお気に入りの場所へ向かおうとした結果、徘徊になる。
外出を無理に止めると暴力を振るったりしがちで、「できるだけ逆らわずに、見守った方がいい」と加藤センター長。決まった時間帯やコース、目的地を徘徊する傾向があり、家族がパターンを把握できれば、本人が危険な目に遭わないようにしたり、他人に迷惑を掛けないようにしたりできる可能性がある。
脳梗塞など脳血管障害によって起こる血管性認知症、幻覚が見えるレビー小体型認知症では、徘徊は起こりにくいが、特徴を把握した上でのケアが欠かせないのは同じだ。
血管性は言葉を理解できたり、できなかったりと、認知障害がまだらに現れる。自発性が落ち、うつ状態にもなりやすい。レビー小体型は幻覚のほか、動きが緩慢になるパーキンソン症状を併発する。
「一口に認知症といっても、それぞれ別の病気といっていいほど違う。」そうです。

徘徊が起きやすい2種類の認知症
アルツハイマー病 前頭側頭型認知症
徘徊の原因 新しい記憶が失われ、【昔の自分】に戻る 欲望を抑えられなくなるため
今の居場所に対する居心地悪さ
徘徊の特徴 すでに存在しない生家や退職した勤務先などへ行こうとする 気の向くまま好きな場所へ向かう
時間帯や、コース目的地が固定化
対 応 今の居場所を心地よく感じさせる
※人となりを知って、コミュニケーションを深め、介護する人がきやすい存在となる。
徘徊パターンを把握し、危険な目に遭わないようにしたり、他人に迷惑をかけたりしないよう注意する。

認知症の高齢者を介護するご家族の心労は絶えないと思いますが、認知症の症状の理解や対応の仕方がわかれば少しでも負担が無くなるのではないでしょうか。 

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