認知症の徘徊について考える②
【中日新聞・東京新聞WEB2016.3.3】より。
認知症支えるまちに 先進地の福岡・大牟田 の取り組み
模擬訓練の声掛けで成果がでてきているようです。
「どこに行きよんなさっと」。
認知症の外出者にふんした女性に、通り掛かった住民が優しく声を掛ける。
女性は「わたしゃ、こげん見よるけど、認知症じゃなかばい」と切り返すなど、真に迫った演技を見せた。
認知症の外出者にふんした女性に、通り掛かった住民が優しく声を掛ける。
女性は「わたしゃ、こげん見よるけど、認知症じゃなかばい」と切り返すなど、真に迫った演技を見せた。
福岡県大牟田市で、昨年九月に行われた認知症SOSネットワーク模擬訓練。
認知症で外出する役の女性は、徒歩や電車で市内を動き回ったが、訓練開始から約一時間半後に市民により無事発見された。
今回の鉄道事故訴訟を通し、認知症の人を介護する家族や施設関係者の間には「対象者を二十四時間監視し、不用意な外出を防ぐなど絶対に無理」との声が広がった。認知症の人の人権を守り、かつ安全を確保するには-。
そんな問いに大牟田市が出した答えが「地域全体で見守る」だった。
そんな問いに大牟田市が出した答えが「地域全体で見守る」だった。
日本有数の炭鉱の街として栄えた同市も、今は人口十二万人の34%が六十五歳以上。
高齢化は同規模都市の中で先端を行く。認知症には早くから注目し二〇〇二年、全世帯の意識調査を実施。
寄せられた意見を基に
▽隣組や小学校区単位のネットワークづくり
▽認知症を「隠さない、恥じない」地域全体の意識向上-などの施策を打ち出した。
高齢化は同規模都市の中で先端を行く。認知症には早くから注目し二〇〇二年、全世帯の意識調査を実施。
寄せられた意見を基に
▽隣組や小学校区単位のネットワークづくり
▽認知症を「隠さない、恥じない」地域全体の意識向上-などの施策を打ち出した。
駛馬(はやめ)南小学校区では〇四年、住民が自主的に認知症の外出者を捜す模擬訓練を始めた。次第に他校区にも広がり、〇七年からは毎年九月に市が主催する行事になった。現在は、市内全域で小学生以上の三千人余が参加する。
実際に行方不明者が発生した際のSOSネットワーク=図参照=を使って見つける訓練だが、数十人の外出者役を配して多数の住民に声掛けを経験してもらう校区も。
毎年全国から視察が訪れ、同様の訓練に取り組む自治体は今や百カ所以上。
大牟田市はいつしか「安心して徘徊(はいかい)できるまち」として知られるようになった。
毎年全国から視察が訪れ、同様の訓練に取り組む自治体は今や百カ所以上。
大牟田市はいつしか「安心して徘徊(はいかい)できるまち」として知られるようになった。
訓練発祥の地、駛馬南の主婦(68)は「勇気が要る声掛けも訓練で自信がつく。
道でしゃがみ込むお年寄りにも声を掛けることができるようになりました」と成果を話す。
道でしゃがみ込むお年寄りにも声を掛けることができるようになりました」と成果を話す。
「訓練は目的ではありません。認知症をめぐる地域の意識を高めるためのきっかけ」と強調するのは、市長寿社会推進課の木下博文さん(45)。各校区では訓練前に認知症サポーター養成講座を開催しており、そうした機会を通じて認定されたサポーターは延べ約一万五千人。市民八人に一人と圧倒的な割合を誇る。
市は訓練以外での人づくりも重視。〇四年度から、小中学校で「認知症絵本教室」を開き、オリジナルの絵本を教材に児童生徒も認知症社会を支える一員であることを教えている。二年間で四百時間に上る独自研修を終えた医療・介護職員らを認知症コーディネーター修了生として、地域や職場で認知症支援の指導者になってもらう仕組みも整う。
市によると、ここ数年大牟田署が受ける市内の高齢者の行方不明届は年間二十件余で、ほとんどが一両日中に発見されている。
堀 行政書士事務所 TEL 0568-67-8115 E-mail irokawa@mth.biglobe.ne.jp ※ あいおいニッセイ同和損害保険 代理店もおこなっております☆ |