短時間労働者(パート・アルバイト等)に対する厚生年金・健康保険の適用拡大について
以前、3月にも取り上げましたが、 来月10月より「短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大」施行されます。
来月からとなりますので、再度とりあげてみます。
【短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大】とは、パートタイム労働者、アルバイトといった短時間労働者に対する厚生年金(社会保険)適用基準が緩和されます。
短時間労働者とは、フルタイム労働者を除く非正社員のことをいいます。
この改正で、短時間労働者における、健康保険と厚生年金保険への加入対象者が増えるのです。
今までは、健康保険や年金について、パート主婦が年収130万円未満で働く場合、サラリーマン夫の扶養から外れませんが、 平成28年10月からは、被扶養者の認定基準が年収106万円未満に引き下げられ「106万円の壁」が新たに出現することになるわけです
実際のところ、影響は大きいのか?
短時間労働者の就労実態を分析してみると。
平成26年賃金構造基本統計調査(厚労省)
・平均時給 :1,012円
・1日の実労働時間数 :5.3時間
・1カ月の実労働日数 :17日
このデータを使って、単純に平均的な年収を試算してみると…
1,012円×5.3時間×17日×12カ月=1,094,174円
年収106万円を超えています。
サラリーマンの夫を持つパート主婦にとって
「106万円の壁」
は切実な問題だと思います。
現行:
パート代が103万円を超えると税金はいくら高くなるか?PDF平成28年10月からの社会保険加入要件としては… 出典
http://www.gettyimages.co.jp 1. 週所定労働時間が20時間以上 2. 年収が106万円以上 3. 月収が88,000円以上?
(根拠:年収106万円以上) 賞与・残業代・通勤手当・家族手当・臨時手当は含まれません。 4. 雇用期間が1年以上 5. 企業規模が従業員501名以上(*平成31年9月30日までの時限措置)
現行の基準で、健康保険・厚生年金の被保険者数が501人以上の企業にお勤めであれば対象となります。
派遣社員の場合は、派遣元の規模で算定します。
派遣先の企業が小規模であっても、大手の派遣会社に登録している方は対象となる可能性が高いです。
以上が対象者となります。
自分には関係するのか? 以上の全てに該当するパート主婦は、サラリーマン夫の扶養から外れます。
健康保険と厚生年金の保険料は、平成28年11月から給与天引きされることになります。
◆ 勤め先の対応はどうなるのか?
対応は二極化する予想です。
・労働の長時間化を図る⇒
人材を厳選して長時間働いてもらう。雇用数を減らす。できるだけ正社員を採用する。正社員への転換を促す。
・労働の短時間化を図る⇒
所定労働時間数を短くする。雇用数を増やす。賃金を下げる。勤続年数を1年未満にする。できるだけ学生を活用する。
◆ サラリーマン夫を持つパート主婦の対応は?
年収増を狙うのもいいですが、現実問題、年収の増加させるには働く時間を増やしていく必要があるため、子育て世代のパート主婦にとっては大変なことです。 そのためか多くの方が、106万円以内の年収減で考えられているようです。
もし、年収増が可能な環境であれば、目指すことをもメリットがあります。
この保険料は勤め先と折半で納めることになり、
厚生年金保険料を納めておけば、老後の年金収入が増えることになります。
目先の損得勘定ではなく
長期的な視点で対応すると良いかもしれません。
もう少し詳しく知りたい場合は以前のページをご覧ください。
2016-03-17
HPお役立ち情報